置き場

思いついたこと書いていきます。

夏祭りで出会った少年の話

 こにゃにゃちわ。

 

 開始3回目にして人生の中でネタにできる部分がなくなってきてしまい、本当薄っぺらい人生生きてたんだなと痛感しております。生きてる年数が短いのもありますけど。

 

というか、記憶にある中で人に話せるのが人の生き死にのことに関してばっかりで、陰鬱なブログになってしまいそうでちょっと焦ってます。

もっと楽しいことしてればよかった・・・。

 

さて今回はそんな中、珍しく楽しいことの思い出をつづっていこうかと思います。

 

 

 

 小学生の頃、僕が東京で暮らしていたことは前回前々回の記事を見てもらえるとなんとなくわかっていただけてると思うのですが、そのころの夏休みは必ず母方のおばあちゃんの家に遊びに行っていました。

おばあちゃんは北海道に住んでいたので、僕は毎年飛行機でひとっ跳びしてました。一人で。

というのも、うちの母親はほぼスケバンみたいなものだったらしくて、そのころは若かった僕のおじいちゃんがやんちゃしてて家庭環境が劣悪だったのもあり、高校生時代に学校中退をして一人で暮らしていく、という選択をし、半ば喧嘩別れみたいな状態だったそうです。

僕が生まれてきたころには全然そんなそぶり無かったんですけど、でもあんまり仲がいいというわけでも無くて、あんまり帰りたがっていませんでした。

 

 でもおばあちゃんは孫のことが可愛くて仕方がなかったようで、休みの時に遊びに来なさいと口すっぱく言ってたみたいで、僕は一人で遊びに行ってました。楽しかったし。ご飯美味しいし。

あの頃は小さい子供が一人でも飛行機乗れるようなサービスっていうのがあったので(今もあるかはわからない)、それを使って新千歳空港まで行き、そこからは迎えが来て直接おばあちゃん家にいくのを毎年繰り返していました。

 

 夏と言えばやっぱりお祭り。例にもれずその地域でも夏祭りがいろんなところで開催されてて、おばあちゃんはいつもいろんな場所のお祭りに連れて行ってくれてました。祭り場所まで来たらお駄賃くれて、「あとは楽しんできなさい」っつって帰る頃まで放置されてましたけど。

知り合いもいないのに屋台だけ見て回って楽しいの?なんて思われるかもしれないんですけど、幼い時の行動力ってなぜか半端なくて、僕は同じくらいの年の子にバンバン話しかけにいってました。

 

 そんな中で、ある一人の男の子ととても仲良くなりました。

どうやらその子も一人でお祭りに来ていたみたいで、暇だったぼくらはお面とかバルーンの剣とか買ってごっこ遊びなんかして暗くなるまで遊んでました。

彼とぼくのおばあちゃんは住んでる地域が近かったみたいで、僕が遊びに行っていたお祭りで彼を見ないことはほぼなかったです。なのでどんどん仲良くなっていきました。

お祭りで遊んだ後も、「あそこの公園よく遊びに行ってるから今度きてよ!」みたいな感じで誘われて、日中もよく遊ぶようになってました。足を運ぶと、人気のない公園で彼がひとりで遊んでたので、僕がそこに加わって二人で遊んだりして。

一か月もしないうちに出来た期間限定の関係だったけど、同年代の遊び友達がいなかった僕にとっては、毎日おばあちゃんの付き添いでどっかいったりするのと同じくらい楽しくて幸せな夏休みでした。

 

 ただ、僕が東京に住んでいて、あと少ししたら帰らなきゃいけないというのはどうしても避けられない事実で、お別れの時間がすこーしづつ近づいてきていました。

ある日の夕暮れ、「あと少ししたら、東京に帰らないといけないんだ。 今度遊べるのはまた来年になっちゃうんだ」と、僕が遊び終わった後に言うと、「じゃあ、手紙送ってよ」と彼は悲しそうな笑顔を浮かべて言ってくれました。

小学生の僕が自分の家の住所なんて覚えているわけもなく、僕は彼の暮らしている家まで行って、彼のお母さんに住所を聞き、メモ用紙を握りしめておばあちゃん家に帰りました。

 

「今年はいい出会いをしたんだね」なんておばあちゃんに言われて、とても嬉しかったのを覚えています。

 

 それから数日後、東京の家に帰ってきた僕は早速手紙を書き始めました。

「こんにちは、○○君」

「この間は楽しかったです、また来年一緒にお祭りで遊ぼうね」

「僕の住所書いてあるので手紙待ってます」

内容はこんなものだったと記憶してます。

 

思えば誰かに手紙を書いたのはそれが人生初めてのことで、母親に「ほんとに届く?大丈夫?」「なんでポストに入れたらあの子に手紙が届くの?」とか聞いてたような・・・。

 

それから数週間は楽しみで楽しみで、早く返事こないかな~なんて気持ちでいつも学校行くとき、帰ってきたときに家のポストを開けてました。

 

ただ、まてどもまてども返事は来ず。

一か月たっても、二か月たっても返事が返ってくることはありませんでした。

「やっぱりちゃんと送れてなかったんじゃないかな」なんてぼやいてもう一通手紙送ったりしたんですけど、それでもやっぱり返事は来ませんでした。

僕の手元には返ってきてないので、手紙自体はちゃんと本人のもとへ届いているはずなんですけどね。

 

そのうち僕も期待しなくなって、忘れていってしまいました。

 

 

 それからしばらくたって、母親が大家さんから何か受け取ってきていました。

なにこれ?と思いつつ見てみると・・・。

そう、それは彼からの手紙の返事だったのです。

 

なんで大家さんが?ってなったんですけど、これは僕がめちゃくちゃバカだった故のことでした。

封筒に記載していた部屋番号が、隣のものだったのです。

今まで隣には誰も住んでいなかったけど、今度新しい人が越してくるから、その人のために大家さんがポストの中身とか整理してたら見つかったみたいでした。

 

「バカだね~あんたは」って母親から言われて、泣きそうになりました。

ちゃんと返信してくれていた彼に申し訳なさ過ぎて。

 

届いてないのかな?と思って二回目に送った手紙、一回目とほぼ同じ文章を書いたはずなんですけど、彼は律儀にもそっちの手紙にも返信してくれていて、彼もほぼ同じ文章を二回、送ってきてくれていました。

「返事どうするの?」って言われて、「書く!」って言ったはいいものの、二人とも「また遊ぼうね」しか書いてなかったので話の広げようがなく、何書こうかな~って悩んでいるうちに「もう結構すぎちゃってるしいいや」ってなって僕は手紙書くのをやめました。ほんとクズ。

 

そんなこんなでめちゃくちゃ仲良くなった彼との関係は薄くなっていきました。

次の年のお祭りでも見かけることはなくなっちゃって、自然に疎遠になっていきました。

 

 

 

 その後、僕は色々あって小学6年生の2学期前くらいに北海道の方へ転校しました。

両親は仕事の都合上、東京から引っ越すことができなかったので、必然的に僕はおばあちゃん家に居候することになりました。で、おばあちゃん家で過ごしているうちに、「そういえばあの子元気にしてるかな」って思って、昔の記憶を頼りにその子の家まで向かいました。

 

 

 そこで僕は、彼の家が建っていた場所が、廃墟のような状態になっているのをみました。

もう雑草とか生えまくりだったし、物干し竿に干されてた洗濯物っぽいものが雑巾みたいに汚れていました。玄関もボロボロで、数年前に人が住んでいたとは思えないほどでした。

でもやっぱりそこはあの日見た家の形状と同じように見えて、いったい彼の家庭に何があったんだろう、と思わせざるを得ませんでした。

 

でも彼がそこからいなくなってしまったのは紛れもない事実で、もう会うこともないんだろうなと感じさせるには十分すぎる証拠でした。

 

 もし手紙のやり取りを続けていたらまた彼に会うことはできていたのかな、なんて今では思ったりしますけど、今はもうあのころ無邪気に楽しんでいた彼じゃないのかもな、なんて思っちゃったりもします。

 

3週間くらいしか見知ってないのに今何してるのかな~って思うほどほんとに急激に仲良くなったのは彼が人生初で、多分僕はこれからそういう人に出会うことはないんだろうなって思うけど、でももう会えなくなっちゃったのでどうしようもないです。

 

ただ僕の中で、彼はとても楽しい時を過ごせる友人としていつまでも記憶に残り続けていくんだなと思います。

 

 

以上楽しい思い出でした。

 

 

 

 

 

 

あの頃に戻りて~~~~。